文学熱

ここ最近、文学に飢えている。大学時代は文学に熱中したつもりになっていたが、今改めて、そのころ読んだ作品を再読すると、以前は本当の意味での読書ができていなかったんだな・・・と痛感する。ストーリーを追うだけのような読み方をしていたことが大半である。
なぜ今になって再び文学に熱中しだしたのか? その原因はよく自分でもわからないが、最近時間にも随分ゆとりができ、図書館で様々な本を見たり、パラパラとその本のページをめくったりして過ごすことが多くなったからではないだろうか?

さて、今読み返している本は、先日実家へ帰った時に本棚から取り出し、持ち帰ってきた坂口安吾の『堕落論』である。私は、若かりし頃、この本の中に入っている『不良少年とキリスト』というエッセーに衝撃を受けた。こんなに自由でいいのか、とその文体に惚れてしまったのである。だから大学時代に書いたレポートなどは、その影響を受け、あの文体を模倣し、仕上げたこともあった。

文学熱とは言っても、私は現代文学には今のところ、ほとんど興味がない。いや、現代文学作家をほとんど知らないといってもよいだろう。最近、読んだのは『シンセミア』ぐらい。いや、『センシミア』・・・どっちだったっけ?