韓国映画の名作

未見だった『殺人の追憶』をDVDで鑑賞。
単なる面白いサスペンスだと思ってたら、とてつもなく重いテーマを持った作品だった。

冒頭で「この映画は1986年から1991年の間、軍事政権のもと民主化運動に揺れる韓国において実際に起きた未解決連続殺人事件をもとにしたフィクションです」というテロップが出る。この時代背景を踏まえて見ることで、また映画の深みが増すのだ。象徴的なのがDNA鑑定が自国ではできないということでアメリカで調べてもらっており、その鑑定結果を、最も疑わしき容疑者を前に見る場面と、その後を描く、ラストの2003年のエピソードだ。

私は韓国映画を今までそれほど見た事はなかったが、このポン・ジュノ監督の『グムエル』は同じくDVDで鑑賞したことがある。あれも大変面白いエンターテイメント作品となっていたが、『殺人の追憶』のラストのエピソードからさらに数年後の世界として考えると、あの『グムエル』の反米性は意味深げだ。