東スポの世界

品川にて映画鑑賞。『フォースカインド』という映画なり。邦訳すると第4種接近遭遇というようなことらしい。
昔『未知との遭遇』という作品で、この「第・・・種接近遭遇」なんてのが、さかんにキャッチコピーのように繰り返し広告されていたから、それを考えると、この『フォースカインド』もどういった種類の話なのか、あらかた判明するだろう。
まぁ、内容はどうでもよかった。おもしろいと思ったのは、この映画の構成である。最近よくフェイクドキュメンタリーというものが作られているが、この作品は、フェイクドキュメンタリーをさももっともらしく見せるために、その再現フィルムを同時に作成し、それと並列させるような形で映像化しているのである。冒頭でミラ・ジョボビッチが「アンビリバボー」のビートたけしみたいな感じで登場し、「今から流す映像はどうのこうの・・・」なんていきなり話しだし、再現フィルムでは、主人公のタイラー博士役をやると神妙に語りだす。最後には監督自らが映画に登場して「この出来事は云々」なんて語って、真実味を煽るから笑ってしまう。
監督のインタビューや、映画サイトの文章などを読んでみたら、このドキュメンタリー部分は、本物の実際のフィルム使用したかのようにもっともらしく言っているが、そんなこたぁない。ありゃしない。でも、この凝った構成のおかげで、食傷気味になっていたフェイクドキュメンタリーというものが、実にうまいツールとして処理され、お客さんを喜ばす(怖がらせる)という意味では大いに成功しているだろう。でも、内容はとてもとても薄いものだけれど・・・。なんかズッコケないシャマラン監督作品って感じ。私はいつもズッコケまくるシャマラン監督作品が愛嬌があって好きなのだ。